キャリアアップに意欲的なビジネスパーソンなら、誰もが一度は外資系企業への転職を考えたことがあるでしょう。しかしひと口に外資系企業といっても、さまざまなタイプがあり、働き方やキャリア形成にも影響を与えます。外資系企業の4つのタイプを考えてみましょう。

外資系企業ってどんな企業?

そもそも外資系企業とはどのような企業なのでしょうか? 実は外資系企業を定義した法律はありません。しかし経済産業省などでは、外資系企業を「会社資本(株式など)のうち3分の1以上を外国法人または外国人が出資している企業」と定義しています。

そしてこの定義によれば2014年現在、日本国内には約3000社の外資系企業があります。経済産業省の外資系企業動向調査(平成23年度)によると、全外資系企業の売上高の合計金額は46兆4908億円、経常利益も2兆3618億円となっています。さらに常時従業者数は56.3万人を数えています。経済活動や雇用の両面からも、外資系企業はすでに日本経済にとって重要な経済主体といえます。

外資系企業の4つのタイプ

外資系企業には資本状況や進出の仕方によって、企業形態や本国との関係にいくつか違いがあります。代表的なものは以下の4つです。

  1. 外国企業の子会社
  2. 外国企業の日本支社・支店
  3. 外国企業と日本企業の合弁会社
  4. 外国企業に買収された日系企業

これらの違いを簡単に記したのが下記の表です。

会社の特徴 本国の意向  代表的な企業
①外国企業の子会社 日本国内に法人格を持ち、100%外国資本の場合が多いです。経営では本国の意向が働きますが、国内の売上次第で日本側が発言権を持つこともあります。国内に複数の営業所や生産工場を構える企業も多く、日本に根付いている企業と言えます。 強いが、日本国内の売上次第で変動  マイクロソフト、グーグル、サムスン、アップルなど
②外国企業の日本支社・支店 日本での法人格を持たずにビジネス展開している形態です。比較的簡単に設立できるため、進出を果たしたばかりの外国企業や、本格進出していない外国企業で多く見られます。実質的に本社の一部なので、本国の意向に大きく左右されます。 極めて強い  海外の金融機関や航空会社、コンサルティング会社
③外国企業と日本企業の合弁会社 日本へ進出したい外国企業が、日系企業と資本を出し合って設立した企業です。日系企業が持つ流通網や販売ノウハウを活用できるため、スムーズな進出が可能です。出資比率の違いによって、外国企業と日系企業のいずれかが主導権を握ります。 出資比率により異なる  シーメンス・ジャパン、富士ゼロックス、ジェイアイ傷害火災保険など
④外国企業に買収された日系企業 日本生まれの企業でも、外国企業や外国人に買収された場合は外資系企業ということができます。しかし買収後でも顧客には日系企業と見なされることが多いため、経営についても国内の意向・事情がある程度尊重されます。。 ある程度は尊重される 日産自動車、エスエス製薬、すかいらーくなど

上記の4つ以外にも、「日本支店から子会社に転換した企業」や、「ブランド名だけ国内企業に譲渡して資本的には撤退している企業」などもあります。こうした違いは企業の社風や経営方針、社員のビジネススタイル、キャリア形成にも大きな影響を与えるため、注意が必要です。

例えば①や②のタイプの場合、日本ではビジネスにならないと本国側が判断した場合、日本からの撤退も考えられます。その場合、日本国内の社員はほとんどの社員が解雇されることになります。当然、再就職の道を探さないといけなくなるでしょう。逆に、日本で大きな利益が見込めるとなれば、大幅なキャリアアップが望めますし、本国側に対しても強く意見を言うことが可能になります。